今日のプロフェッショナルは、精神科医の本田秀夫先生。
本田先生は、発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリスト。
とても参考になりました。
発達障害とは
発達障害は、発達障害者支援法により以下のように定められています。
(定義)
出典:発達障害者支援法
第二条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
法律なので少し複雑に書かれており、これよりも厚生労働省のほうが分かりやすいかもしれません。
生まれつきの特性で、「病気」とは異なります
出典:厚生労働省
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。
番組のなかでは「発達障害とは脳機能の発達がアンバランスで生活に支障をきたす障害のこと」とされていました。
主な発達障害としては例えば以下のようなものがあるそうです。
自閉スペクトラム症(ASD)
- こだわりが強く、熱中しすぎてしまう
- コミュニケーションが苦手 など
注意欠如・多動症(ADHD)
- じっとしていられない
- 忘れ物が多いなど
学習障害(LD)
- 「読む」「書く」など特定分野の学習だけが困難
発達障害は人より特徴が強いだけ
上記厚労省のWebサイトには
生まれつきの特性で、「病気」とは異なります
と書かれています。
これと同じようなことを本田先生が番組のなかで言っていました。
発達障害っていうのは人より特徴が強いだけ。
普通ってなんだろうっていう話で、
どこまでを"障害"と見なすのか、
どこからは"普通"と見なすのか。
本人は別に悪気もないし、時代や場所によっては普通に生活できていたかもしれない人が、ある社会の中だとはじかれちゃうみたいなことがあるんでしょうね。
今はそういう時代なんだと思うんですよ。
発達障害のイメージをもう少し広く知っていただいて、発達障害に対する奇異な目で見る敷居をもう少し下げてもらえるといいなとは思うんですよね
だから自分(本田先生)もそういう意味では入ってくるし、(発達障害に)当てはまる人なんてたくさんいると思うんですよ
自分の中にもある特徴がちょっと強い人たちがいる、くらいに思ってもらえるといいかなと
発達障害に該当する人は多い
小・中学生の15人に1人は発達障害の可能性があるそうです。
30人クラスであれば2人くらいはいる計算。
これをそのまま当てはめれば、仮に100人の会社であれば6~7人の人が該当することになります。
しかしながら、もしかするとそういった人たちの多くは採用の時点ではじかれてしまう現状があるかもしれません。
また、入社した人であっても、どうしてもコミュニケーション能力が必要で仕事の品質や正確性が求められる会社という組織にあっては、評価が低くなりがちかもしれません。
天才や高学歴には発達障害が多い
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ、マイクロソフトのビル・ゲイツなど、実際に、その特性を強みにしてビジネスに発展させた人物には枚挙にいとまがない。楽天の三木谷浩史氏も自らADHDの傾向を持つと語っている。ジョン・F・ケネディ米元大統領、坂本龍馬やエジソン、アインシュタインなども発達障害の傾向を指摘されている。発達障害=天才であるわけではないが、その特性を活かさなければ彼らの成功はなかったはずだ。
出典: SankeiBiz「なぜ日本は「発達障害大国」なのか 国別統計で常にトップレベルの理由」
中小零細企業は難しい現実があるものの、発達障害の人を排他するのではなく、発達障害の人が活躍できる、自らの才能と能力を如何なく発揮できる環境を与えられる会社が多くなっていけばいいなと思います。
起業に向け一言
なんでも適材適所