研修最終日は賞与のシミュレーション。
今までの研修で検討、積み上げてきたデータや賃金体系、基礎賞与額と成長賞与額との配分、成長ポイントなどをもとに賞与額を算定するというもの。
賞与原資の決め方は「利益三分割法」や「労働分配率や粗利益から算出する方法」、「経営計画の目標利益活用法」などがあり、様々なシミュレーションでその妥当性を検証していくわけですが、研修のなかで先生が大事だと繰り返し言っていたことは、
「最も大事なことは賞与原資の根拠を示すこと」
「賞与は当然に貰えるものであるという風な誤解を従業員に持たせないこと」
ということでした。
賞与に対する理解を促すこと
そりゃあ、従業員の立場からしたら賞与は貰えるほうが当然いいに決まっています。
私だってたくさん欲しい。
ですが、無いものは払えない。
会社が赤字続きであるにもかかわらず無理に賞与を支払い続け、結局キャッシュが回らずに破産・・・そっちのほうが従業員にとっても困りますよね。
ゆえに、賞与は会社に利益が出ているときに支払われるものであって、当然に支払われるものではない。
ということを日頃から従業員にきちんと説明し、理解してもらうこと。
それが大事です。
賞与と会社の業績を紐づけること
そして、賞与と会社の業績を紐付けず、ただただ
「頑張ったから」
「払わないと従業員も生活困るだろうし・・・」
という理由で払い続けていると、社員は会社の業績に関心を持たなくなり、結果として、お客様のために仕事をしなくなるということでした。
「皆で頑張ろうよ!結果がこうなったら、皆にはこれくらいボーナス払えるよ!だから頑張ろうね!」
ということが理想。
そのためには、
- 会社の業績がどの程度であれば(経営目標に対してどれくらいの達成度だったら)いくら貰えるのか、ということを従業員に対して明確にすること。
- 従業員が自分自身の賞与を簡単に計算できるような仕組みづくりが肝心
とのことでした。
賞与に対する誤解
私が賞与に対して感じることは、先生の言うこととも重なりますが、賞与に対する認識が経営者と従業員で乖離しているなぁということ。
例えば、今年の夏のボーナス。
日経新聞では「夏のボーナス、過去最高95.3万円 経団連最終集計」という見出しで報道されています。
出典:日本経済新聞
が、この記事の元データ「2018年夏季賞与一時金大手企業業種別妥結状況」(経団連)を見ると、これはあくまでも「東証一部上場、従業員500人以上、主要21業種大手251社」の金額であることが分かります。
では、日本の99.7%を占める中小・小規模事業者はどうか。
262,570円で、大手の3割にも達しません。さらに、約4割の企業ではそもそも支給されていません。
こういったデータを見ると、賞与を貰えるということがどれだけありがたいことなのか分かりますね。
勿論、経営者だって賞与を支給したい(多分)。
でも無いものは無い。
経営者は賞与をあげられるように、従業員は賞与を貰えるように、会社で一丸となって目標に向かって頑張ろう!
という姿が理想なんでしょうね。
起業に向け一言
経営者と従業員が一丸とならなければ賞与は生まれない!