政策金融公庫の方と融資の件で相談する機会がありました。
とても丁寧に説明してくださって、とても親身になってお話を聞いてくださって、すんげーータメになりました。
(担当してくださった方が特別なのかもしれませんが)これから起業しようとしていて融資を受ける予定のある方は、早い段階で相談されることを強くお勧めします。
私が相談事項として挙げたのは以下の3つです。
- 融資を受けるための条件、流れ
- 不動産業はなかなか融資を受けられない?
- 多重債務者は門前払い?
3つ目については、今後改めてお伝えしたいと思います。
融資を受けるための条件、流れ
融資を受けるときには、創業資金の10分の1を自己資金として用意することが条件であると聞きます。
ですが、ネットなどを見ると
「10分の1程度の自己資金で融資されることは実際にはほとんどなく、創業資金のおよそ半分、最低でも3分の1は用意しなければならない」
というのを目にします。
実際のところはどうなんでしょうか?
ではまず、融資の概要についてご説明しますね
ということで以下のことが分かりました。
1/10という要件は、新創業融資制度の場合である
無担保・無保証人で融資を受けようとする方には、新創業融資制度というものがあります。
新創業融資制度は、
新たに事業を始める方
または
創業して間もない方(事業開始後税務申告を2期終えていない方)
が対象となります。
融資額は最大で3,000万円(運転資金は1,500万円以内)。
そして要件の1つに
「新たに事業を始める方」または「事業開始後税務申告を1期終えていない方」の場合は、「創業時において、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること」等の一定の要件に該当することが必要。
とされています。
※1期は終えていて現在2期目である(2期は終えていない)場合には別の要件があります。
つまり、創業資金の10分の1を自己資金として用意しなければならない、と言われているのは主にこの新創業融資制度を指しているものと思われる、ということでした。
そして担当の方は続けます。
仙台で起業する場合には、東日本大震災関連融資がある
被災地である仙台で起業する場合には、「東日本大震災関連融資」というものがあります。
対象は
創業する被災者の方
または
被災地で創業する方
です。
仙台は被災地に該当するとのことで、こちらの融資制度を利用できるとのこと。
融資額は最大で1,000万円。
そして、この「東日本大震災関連融資」には自己資金の要件が存在しないそうです。
しかもなんと、利息は1%程度!
ひぇー。
・・・が、
実際には自己資金が0で融資される場合はまず無いそうです。
そりゃそうですよね。
「起業したいです!金は1円もありません!金貸してください!」
そんな虫のいい話は無いですよね。
もちろん、創業者の事情等にも依るそうですが、創業資金のうち自己資金として用意する目安としては(例えば1,000万円の融資を受けたい場合)
理想 2分の1~3分の1(500万円~333万円)
最低限 10分の1(100万円)
多いケース 5分の1(200万円)
とのことでした。
あとは事業計画を見て判断するそうです。
というか事業計画がなによりも大事!
※事業計画については今後触れていきます。
融資利用の流れについても聞いてきました。
融資利用の流れ
利用の流れは大きく以下の通りです。
- 相談
今回の相談がこれにあたります。
正式に申し込む前に融資額や事業について相談することができます。 - 申込み
所定の借入申込書を記入して窓口へ提出あるいは郵送します。 - 面談
資金の使いみち、事業の内容や状況についての面談があります。
場合によっては店舗や工場に訪問することがあるそうです。 - 融資
融資が決まると契約に必要な書類が送られます。
契約手続きが完了すると、指定口座に入金されます。 - 返済
相談のうえ決まった返済額を月賦払いで返済していきます。
自動振替、銀行振込、郵便振替、窓口支払いなどの方法があります。
2の申込みからから4の融資まで、大体1ヵ月程度かかるそうです。
すなわち、資金が必要になるタイミングの最低1ヵ月前には申し込む必要があります。
また、2の申込みにあたっては、以下の書類を用意する必要があります。
- 法人の登記簿謄本または登記事項証明書(法人の場合)
- 創業計画書(任意の様式)
- 設備資金を利用する場合は見積書(建物の場合は平面図も)
- 担保を希望する場合は登記簿謄本または登記事項証明書、土地の公図の写し
- 店舗を借りる場合は賃貸契約書の写し、または仮契約書等(賃貸契約をまだ結んでいない場合は賃貸物件情報が分かるものを不動産業者に依頼)
これで自分の起業タイミングから逆算してスケジュールを立てることができました。
不動産業はなかなか融資を受けられない?
結論、そのようなことは無いそうです。
例えば、政策金融公庫では以下のようなセミナーを開催しています。
実際に融資を受けている人も多数いて、不動産業では創業時に必ず必要となる「協会への入会金」や「弁済業務保証金分担金」なんかも融資の対象になるそうです。
今日時点での開業資金計画をお見せしたところ、まず1つ貰ったアドバイスが「運転資金も入れてください」とのことでした。
運転資金は何ヵ月?
最初のうちは、仕入等の変動費はほぼ無いと思います。
あるのは販管費だけで、自分の給与(役員報酬)、法定福利費、広告宣伝費、交際費、旅費交通費、通信費、消耗品費、水道光熱費、不動産賃借料、租税公課、減価償却費あたりを想定しています。
コストをとにかく削りに削って、現時点では月50万程度かと考えています。
すると、まずは販管費の3ヵ月分を運転資金として入れてください。とのことでした。
役員報酬はどれくらい?
自身の給与である役員報酬についても聞いてみました。
どれくらいが妥当なのか。
こちらについては、
その人の家族構成、他のローンの状況などがあるので一概には言えません。
最低限必要な生活費は人によって異なります。
例えば住居ですと、ある人はリビングと寝室は別でないとダメという方もいますし、家賃30,000円の1Kで十分という方もいます。
単身で月額40万という場合には「ちょっと高いかもしれません」と伝えることもあるかもしれませんし、4人家族で月額20万という場合には「それで大丈夫ですか」と言うかもしれません。
ですので基準というものはなく、あくまでもその方の状況によって異なります。
とのことでした。
現状の年収の2割減はやむなしと考えていて、今日はその額を提示しました。
家族の状況や想定している住居も踏まえ、今日提示した額は「多いとは思わない」という見解を述べていただきました。
とりあえず、現段階で相談しておいてとても良かったと強く感じました。
なにより、相手の方が本当にイイ人だった・・・
これから相談を重ねて、事業計画自体もブラッシュアップしていきたいと思います。
※なお、本記事の情報は2019年2月時点のものです。
様々な事情によりケースが異なりますので、
本記事はあくまで参考に留め、
詳細は政策金融公庫にお問い合わせください。
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