自分が住んでいるアパートは2011年に新築されました。
もう少しで8年が経過するところで、最近は特に設備関係に不具合が出まくっています。
給湯器のエラーでお湯が温まらない、今度はトイレが水漏れ、またまた給湯器で次はシャワーがくそあっつい。
ここ1ヶ月で立て続けに不具合が発生しています。
いずれも経年劣化に起因するものなので、修繕費は大家負担。
しかしこちらで勝手に修理業者を選定することはできないので、一度管理会社に連絡をして、管理会社指定の業者に連絡。という手順を踏みます。
そこでいつも思うのですが、不動産会社の対応がひどい・・・笑
自分は、今の家も前の家も、今の不動産会社に仲介してもらったので、その人がどんな雰囲気の人か知っています。
悪い人じゃないし、犬を飼っていて、優しいおじさん、って感じ。
が、電話対応がヒドい。。笑
電話に出る瞬間はとにかくトーンが低い。
「●●に住んでいる○○ですけど」
ってこちらの素性を明かすと急にトーンが上がります(とは言っても少しだけ)。
しかしながら、今日に至っては電話を出るときに名乗りもせず
「・・・はい。」
ここで素性を明かすと上記のようになるのがいつもなのですが、今日に関しては無愛想なまま。
初めて電話をする人は間違いなく「感じの悪い会社だ」と思うでしょうね。
一方で、給湯器を直しに来る人は凄く感じがいい。
挨拶はしっかりしているし、言葉遣いも丁寧。雰囲気は明るく、説明もしっかり行ってくれます。
ここで考える。サービスの品質。
そもそも品質とはなにか
ISO9000では、
対象(3.6.1)に本来備わっている特性(3.10.1)の集まりが,要求事項(3.6.4)を満たす程度
と定義されています(カッコ内の数値はISO9000の条項です)。
特性を性質と置き換えれば
品質とは、要求事項を満たす性質を備えている程度
であると言い換えることができます。
では、要求事項とはなにか
要求事項とは
明示されている,通常暗黙のうちに了解されている又は義務として要求されている,ニーズ又は期待。
とISO9000では定義されており、明示された要求事項と暗黙の要求事項があることがわかります。
明示された要求事項
仕様書などの文書、あるいは口頭で具体的に達成するように要求された内容です、
暗黙の要求事項(明示されていない要求事項)
顧客などから具体的に要求されていないものの、当然に備わっていなければならない内容です。
建物や設備であれば、雨漏りがしないこと、壁に穴が空いていないこと、お湯が出ること、など。
これらは文書や口頭で要求されていなかったとしても、当然に求められていると考えられる内容です。
以前、三井不動産レジデンシャルが販売した「パークシティLaLa横浜」でマンションを支える基礎杭が支持層(マンションを支える固い地盤)に達していないことが発覚しました。
「基礎杭を支持層に打つ」ということは、仮に明示されていなかったとしても、暗黙のうちに了解されている又は義務として要求されているニーズ又は期待であり、暗黙の要求事項と言えます。
また、要求事項には下記のものがあります。
顧客要求事項
- 顧客などから要求される事項
社会要求事項
- 法律や規制など遵守しなければならない事項
- 行政からの指導、利害関係者や近隣からの要望など
組織要求事項
- 自社組織から要求される内容
たとえば自社組織で規定しているスペックや手順、課された利益や納期など個別に指示された内容
品質とは上記のような様々な要求事項を満たす性質を備えている程度を言っています。
つまり、ISOではすべての要求事項が達成されれば顧客満足であり、要求事項以上のことを達成することが顧客満足である、ということは言っていません。
ここから言えることは、品質を考えるにあたっては「要求事項を満たす」ことを念頭に、「要求事項はなにか」を考えることが極めて大事だということです。
温泉旅館で館内がきったないのに接客スキルだけを追求することは果たしてどうなのか
顧客が大して望んでもいないハイスペックな機能を持たせて高品質を謳っているのは果たしてどうなのか
飲食店で料理がうまければ十分、客が集まると考えているのは果たしてどうなのか
今日の内容のそもそもに戻り、不動産管理会社は管理だけ全うしていれば愛想は不要か
設備業者に愛想は不要で、滞りなく設備を修繕さえすればよいか
今日はここまでにして、要求事項についてはもっと深堀りする必要がありそうです。
起業に向け一言
顧客要求事項を知ることから始めよう!